「えっ?…何で?
私が、披露宴に出られないからとか?」
「違う。そうじゃないの。」
「じゃあ、何…。」
「…私ね?知ってるの。
春美と、彼との事…。」
花子…、
今、
何て言ったの…?
私、彼との事は一言たりとも話していない。
勿論、彼だって話してはいないはず。
友人達ですら、さっきの会話からすると
話しただなんて思えないのに。
…どうやって?
…花子は、とうやって知ったの?
言葉を詰まらせたまま動揺している私に
花子は優しい微笑みを浮かべながら話し出す。
「私がね?彼に、無理矢理言わせたの。
二人を会わせた時、二人とも少し
ぎこちなかったから…。」
「だからって…こんな日に…」
「二人とも、私の大事な人だから…。
詳しい話は知らないけど、きっと、
二人で話した方が良いと思う。
披露宴まで、まだ30分あるから。」
そう言った花子は、踵を返して歩き出す。
なんで花子が一人で歩くのよ…
今日は、二人の門出でしょっ?!
「花子!!待ちなさいよ!
新婦の控え室はどこ?!案内しなさい!!」
力一杯、花子と彼の腕を掴んで歩き出した。

