ある朝、 充電切れのスマホに起こされることはなく、 私は必然的に寝坊をしてしまった。 スマホいじりをしながら寝落ちした自分が 恨めしい。 小走りに会社のビルに駆け込むと、 貴方も同じ様にして駆け込んできて… 彼には、見事なほどの寝癖があって 思わず吹き出してしまう、私。 そんな私に気付いたのか、貴方は口をへの字口にした後、同じ様に吹き出し笑った。 エレベーターの戸が開き、二人で駆け込むと 貴方は初めて私に言葉を発した。 「キミが笑っているのは、俺の寝癖のせい?」