熱くなった体を貴方に絡み付けた。
「桑田さ…ん…。」
そう、名前を呼ぶことすらもどかしくて。
「丸山…」
貴方の艶やかな声で、私を呼ぶ。
その声だけで、私は意識が飛びそうで。
誰も居ないのなら
私だけを見て欲しい。
私だけを感じてほしい。
私の…名前で、呼んで欲しい。
貴方は私の頬に頬を擦り寄せた後、
私の口元に鼻を寄せ
私の【匂い】を嗅いでいた。
「丸山…いい香りがする。」
貴方の好きなフレーバー。
分かってて、選んでた。
「唇…綺麗だな。…食べたくなる。」
その言葉に
私の心拍数が上がった事を
貴方は、分かったかしら…?
「…どうぞ?それとも…噛み付かれる方が
…好みですか?」
私の言葉に目を細めた貴方。
今までに見たことのないその表情が
艶やかで…色っぽくて…。
熱くなる頬と、高揚した身体が
私を支配していく。
それを隠すように目を伏せたけれど
貴方は私の背に腕を回し、抱き締めた。

