赤い頬を更に赤く染め上げた君は
『嬉しい…。』
と、小さな声で呟いた。


「いつも、ありがとうな?花菜。
こうやって頑張りながら…
俺を、支えてくれて。」


「そんなっ…私こそ、ありがとう。」


「あのさ?…花菜。」


「…ん?」


「花菜は、もっと我儘になっていいんだよ?
…もっと、俺を頼っていいんだよ?
花菜が辛い時とか、寂しい時だとか…さ?
俺に、伝えて欲しいんだ。」


そう言葉にしながら、君の手に俺の手を重ねると、君は目に涙をいっぱいに溜め堪えていて。


「俺が気付いてあげられる事が、
一番なんだろうけれど…。
花菜も知っての通り、俺、鈍感だから。」


「そ…そん…な事っっ。」


「花菜が不安に感じている事が、
…俺にとっても不安になる。
俺達は、夫婦なんだから。…な?」


花菜は、目に溜めていた涙を溢れさせながら
『うん…うんっっ。』
と、大きく頷いて見せた。


重ねた俺の手に、もう片方の手を重ねながら…