大人のEach Love




真剣な眼差しを向けるシュウジから、目を離せない。

シュウジの言う言葉も、疑っているわけではない。
それに、私の心はシュウジだけ。


だけど


「ま、待って…。気持ちの切り替えが、私…」


吹っ切れたとはいえ、シュウジしか想っていないとはいえ、こんな重大な事を感情の赴くままに速答するわけにもいかない。

慌てふためく私を楽しげに見ていたシュウジは、私の長い髪で遊ぶ始末…。


「悩むことないよ。万が一、別れる事になったと想定する。その時は、君の好きなように言っていいから。フラレた、フッたとか。」


シュウジは、どう想ってそんな言葉を言ったのだろう?

私は理性が働いてばかりで…



シュウジは好き。
この温もりすらも。
誰にも渡したくなんかない。

私だけを想っていて欲しい…


「シュウジは…」


「ん?」


「私だけを想ってくれるの?」


「そのつもりだよ。後は、君次第。
…この意味が分かるなら、伝わるはずだ。」


曖昧な事しか言わなかったけれど、私の知るシュウジは嘘は言わない。

【意味】というのは…私の解釈が間違っていなければ、想われて信じられている内は、その想いにに沿うという事…。