何で、貴方がここにいるの?
何で、貴方が同じ会社にいるの?
何で、貴方が柳田部長なの?
何で、教えてくれなかったの?
何で、……
頭の中には、そんな言葉ばかり。
だけど、
心はひとつの想いだけしか感じていなくて。
なんて、心はダイレクトなんだろう…
「…ずっと…ずっと!…会いたかったのっ!」
溢れる涙を拭うこともせず駆け寄り、腰に腕を回しながら抱きついた。
その私の肩を優しく包み込みながら、髪をそっと撫で下ろす。
あの夜とは、違う色のスーツ。
だけど、
この温もりと、髪を撫で下ろす仕草は…
…同じもの。
肩を震わせながら泣きじゃくる私の肩をギュッと抱き締めた貴方は…
『遅くなったけど…。また会えたね?』
と、私の耳元で小さく囁いた。

