--- ガッ!!…ペキッ
「っ痛ぇっっ!!」
「~~~…痛いっ!!」
私に殴られた彼は、顔を横に向けたまま左の頬に手を当てていた。
全体重を拳に一点に集中させたんだから、流石に彼も痛かったのだろう。
かくいう殴った私ですらも、殴った勢いで指の骨がペキッって音を鳴らした位だ。
もしかしたら、突き指したかもしれない…。
痛みは半端なかったけれど、それでも…
気持ちは爽快だった。
気持ちは吹っ切れているとはいえ、不満もまっさらに忘れていたわけじゃなかったんだから。
でも、それも今の一発で許してあげる。
仕方ないから。
「ああ、スッキリ。」
「…何だよ、それ。」
「何?まだ殴られたいの?」
「そんなわけないだろっ?」
「…こんな所に居ないで、彼女の不安を取り除いてあげたらどうなの…よっ!!」
--- バシッ!!
力任せに彼の背を平手打ちした私に、彼は苦笑いを浮かべながら
『…本当に…すまなかった。』
と謝りながら、休憩室から駆け出して行った…

