「どうかなさったんですか?」
「…何て言うか、あそこまで仕事が出来る人に引き継ぎ、っていうのがさ。」
「すみません。社内メール、こちらの階から異動される方のお名前しかみていませんでした。そんなに凄い方なんですか?」
「そりゃもう…。教えるもなにも全部把握してるんだよな。逆につっこんで聞いてくるもんだから、たじたじだったよ…。」
「そうなんですか…。」
係長ですら、私からしてみれば仕事をそつなくこなしている仕事人間なのに。
その係長がいう【仕事が出来る人】というのは、いったいどんな凄腕の部長なんだろう。
気を引き締めていかないと、私も業務指摘をされかねない。
「17階にある営業1課の【柳田】部長だ。
覚えておいた方がいいぞ?」
「はい。分かりました。」
その柳田部長の名前を聞いていて良かった。
忙しさのあまり、確認もしていなかったから。
相互の異動が始まるまで、もう僅か。

