半月後に異動する人達は、引き継がれる役職の人達の部署にまで、出向いていたようだ。
他部署とはいえ、部長クラスの人達。
そんな多忙な役職に、引き継ぎをするのも大変な事なのだろう。
本来は、異動先の部署にての引き継ぎ作業。
それをしなかったというのは、やはり、引き継がれる人が部長クラスだからだろうか。
この会社の人間は、名前を覚えきれない程の社員数で。
階が違えば、顔や名前が一致しないのは仕方のない事だった。
私ですらも、顔は知っていても名前は知らない事が多々あって…。
他部署に向かう際には、互いに必ずと言っていいほど『○○部の○○ですが』と言っていた程だった。
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昼休みの時間になると、引き継ぎに出向いていた人達が戻って来て、大きな溜め息をついているのを耳にした。
「お疲れ様です。」
私がそう言うと、戻って来た係長達は
『本当に、疲れたよ…。』
と、脱力したような声で返答した。

