大人のEach Love



それなら、私は私なりに【先輩】として言おう。
【今の彼女】だからだとか【元彼女】だからだとかは、抜きにして。

そう心に決めた私は、彼女のいる踊り場に歩み始めた。


--- カツン…カツン…


私の履いているヒールの音が、静まり返っていたこの場所に響き渡る。

その音で、人が来たという事に気付いたんだろう。
俯いて泣いていた彼女が、真っ赤にした目を私に向けた。

それが私だと分かると、彼女はあからさまに私を睨み付ける。


「何しに来たんですか?!
ざまあみろとか、笑いに来たんですか?!」


「それは、まぁ…遠からずかもしれないけれど
…違うわよ。」


「最っ悪っ!!性格悪いですよね?!
そんなんだから、あたしに彼を取られるんですよ!」


初めから喧嘩腰の彼女。
次から次へと、そんな言葉がよく出てくるものだ。彼女はある意味凄いと思う。


別れた日に、こうやって捲し立てられていたら、きっと私も感情的になって言い合いになっていたに違いない。