人事異動がこうして社内メールで届いたからには、本人には以前からそれとなく話はされていたんだろう。
どれくらい前からかは定かではないけれど、聞いて知っている話では1ヶ月前らしい。
だから、彼が別れ話を持ち出したのは異動が原因なんかじゃなくて、やはり彼に言われた通り、たんに私の後輩を好きになったからなんだ。
別れてからもこうやってあれこれ考えるのは、どうかと思うけれど、長い付き合いだった彼だからだろうか。
人の気持ちを分析しようとしてしまうのは、私の悪い癖だ。
彼とは、もう終わってるんだし。
知ったところで何も変わらない。
それに、想う気持ちの比重はシュウジに傾いているんだから。
ふと、斜め前の席に座る後輩に目を向けた。
彼の選んだ想い人。
彼女もこの社内メールを見たのだろうか?
キーボードに手を置いているのに、指は動いていない。
俯いているから、その表情すら見えなくて。
すると、突然彼女は立ち上がり俯いたまま部署内から出て行ってしまった。

