私が玄関で立ち尽くしていると、シュウジという男は微笑みながら私の腕を引き、リビングに招き入れた。


「何か、飲む?」


そう聞かれたけれど、何かを飲みたいとも思わない。
だから、無言で首を横に振って見せた。


「そう?でも、何かしら用意するよ。
飲みたく無かったら、飲まなくていいから。」


そう言葉を残したシュウジはキッチンに向かって行って、グラスの準備をしているようだ。


そんな前戯みたいな面倒臭いことなんか
しなくてもいいのに。

そう思えてならなかった。
男が、見ず知らずの女を招いておきながら
まるで接待?と言いたくなる。


ヤりたいなら、ヤればいい。
もう、どうでもいいんだから。
どうせ、ぐちゃぐちゃなんだから。


今更、純情ぶるのも癪にさわる。


あの男と同じ様に、あんたも私を好きにすればいいんだ。


もう…どうでも、…いい。