「あの、私はなぜここにいるんですか。よろしくと言われても、ここに留まるつもりはありませんよ」
はっと我に返ったように、希粋が言う。
「助けてもらったのはありがとうございました。ですがもうそれでいいですよね」
「そうだよな。希粋は女だぜ?ここに置いとけるわけないだろ?」
なぜここまで土方さんがこだわるのか分からなかった俺は、希粋の言葉に付け足した。
「そうだな、ここに女は御法度。…が、希粋にはここにいてもらう」
「は!?おかしいだろ!」
「平助の言うとおりだせ。土方さん、それはどういうことだ?」
左之さんが土方さんをじっと見る。
左之さんだけではなく、近藤さん以外のみんなが、土方さんの次の言葉を待った。
対する土方さんは、目を瞑っていた。


