月は華を煌めかせ


「あの、私はなぜここにいるんですか。よろしくと言われても、ここに留まるつもりはありませんよ」


はっと我に返ったように、希粋が言う。


「助けてもらったのはありがとうございました。ですがもうそれでいいですよね」


「そうだよな。希粋は女だぜ?ここに置いとけるわけないだろ?」


なぜここまで土方さんがこだわるのか分からなかった俺は、希粋の言葉に付け足した。


「そうだな、ここに女は御法度。…が、希粋にはここにいてもらう」


「は!?おかしいだろ!」


「平助の言うとおりだせ。土方さん、それはどういうことだ?」


左之さんが土方さんをじっと見る。


左之さんだけではなく、近藤さん以外のみんなが、土方さんの次の言葉を待った。


対する土方さんは、目を瞑っていた。