「…まあ、とりあえず起きたからついて来て」
土方さんのとこに行かなきゃ。
「どこへですか?私の剣は…」
「大丈夫、今は敵じゃないから。話が終われば剣は返す」
「……今は、ですか…」
そう、あくまで『今は』。
土方さんの話次第で、敵になるかもしれない。
「いいでしょう、分かりました。ついていきます」
「助かるよ」
話が早くて。
俺は障子を開けて、廊下へ出た。
さっきまで見え隠れしていた月は、今は雲の中。
これじゃあ暗くて見えないな…。
怪我されても困るし…。
「手ぇ貸して」
「はい…?」
いまいち理解できていない女の子の手を、勝手にとる。
「何するんですか!?」
「暗いし、怪我されても困るから。やましいことなんてしねぇよ」
「……ありがとうございます……」
あれ、意外と素直?
理由が分かれば理解してくれる人なのかな。
そんなこと、どうでもいいけど。