こんなことってあるのか?


怪我をすればかさぶたができて、徐々に治っていくもんだろ?


なのに…なんでだ…?


「人間じゃ、ない…?」


いやいや、そんなわけないだろ。


人間の姿をしてるし、話す言葉だって同じだ。


…そりゃ、剣術はすごく強いなとは思ったけど…。


それは努力すれば強くなるもんだし。


「あー、わっけわっかんねぇ」


俺は考えることをやめて、ごろりと横になった。


土方さんはなんか知ってるっぽかったし、後で聞けばいいよな。


うん、よし、そうしよう。


とりあえず、俺はこの子を見張ってればいいんだ。


腹筋に力を入れて、上体を起こす。


柱によりかかって、女の子が目を覚ますのを待つことにした。