月は華を煌めかせ


「……平助」


「どうしたの」


「とりあえずこいつが目ぇ覚めるまで、お前の部屋に置いとけ」


「分かった」


深刻そうな顔してたから何を言い出すかと思えば。


俺はまた女の子を背負って、副長室を出ようとした。


「…ああ、聞き忘れていたが…」


その声に振り返り、立ったまま土方さんを見下ろす。


「そいつ、昼間と変わったところはなかったか?」


変わったところ…。


「たくさんあったよ。動きが鈍かったし、傷も負ってる。…とても同じ人間だとは思えないな」


「そうか…。やはり間違いなかったのか…」


「え?」


聞き取れなくて、聞き返す。


「いや、なんでもない。そいつが起きたら幹部を集める。話はそのときだ」


「分かったよ」


土方さんがそう言うなら問い詰める必要もないか。


そして、俺は今度こそ副長室を出た。