屯所に戻り、土方さんのところへ行った。


もう寝てるかな…と思っていたけど、部屋には明かりがついていた。


「土方さん」


「…平助か、入れ」


返事があってから、そっと障子を開けた。


中に入っても、土方さんは机に向かってこちらを見ようとしない。


「どうした、何か報告か?」


書類か何かから、目を離さずに聞く。


「うん、酒に酔っ払った浪士たちが喧嘩してたから、斬ったよ」


「そうか、ご苦労だった。それで、喧嘩してた相手はどうした」


「それなんだけど…。連れてきた」


「はぁぁああ!?」


あ、ようやくこっち見た。


…じゃなくて!


「土方さん、今夜だから!」


「んなこたぁどうでもいい!連れてきたって………まさか」


そこまで言って、ようやく俺がおぶっている人に気づいたのか、眉間にしわを寄せた。


「そ、こいつ。昼間の女の子」


まだ気を失っている女の子を、そっと横にした。