一八六六年六月 あれから二ヶ月がたった 私はあの日出会った沖田さんのことが忘れられないでいた また会えないだろうか 毎日そんなことを考えていた ぼーっとしているとおばさんに名前を呼ばれた 「おみよ!お客さんにこれを運んでおくれ!」 『あ、はーい!』 私の家は甘味屋でそこの主人は私の叔父さん 私の両親は幼い頃に亡くなったので私はお母さんの兄であったおじさんに引き取られた 今はおじさんとその奥さんの三人で甘味屋をきりもりしている