「なんだ……。
まだ、そんな事気にしてたのか……。」

セラはアレンの頭を撫で、
下級天使の*寮へと送って行った。

「ありがと、セラ!ここでいいよ!」
「わかった。夜は絶対に寮から出るなよ
脱走したらまた怒るからな。」
「セラ……。」
「どうした?」

アレンは、腰に巻いてある布を握りしめ、「さっきの質問の答え……待ってる」と言うと走って寮に入って行った。

・・・

「ふぅ……。」

セラがため息をつくと後ろから
背中を叩かれた。

「リイカか……」
「リイカかとはなによ!リイカかとは」

リイカ、上級天使ランク4。
人間に運を与える資格を持つ。
セラとは同期。
キャラ作りの為オカマ口調だが根は男。

「んもう!ため息ついてるから
何かあったのかと思ったわ!」

セラはリイカを見てから
アレンの走って行った方向を見る。

天界には異質な黒髪の天使。

セラ自信は気にしたことなかったが
本人がきっと一番気にしていることだろう

「気にしなくていいのにねー」
「俺もそう思ったんだが、天使の中で
アレンだけ黒髪なんだ。
やっぱり気にするだろう……」
「思春期かしら〜?
アタシにはよくわからないわ〜」

リイカは手を上げて顔の横で振った。

天使に思春期も反抗期もないが、
感情くらいはある。
周りと違ったら流石に天使でも気にする。

天界には四種類程
大きく髪の色が分かれている。

最も多い金髪。
二番目に多い緑髪。
女型の天使に多い桃色の髪。
そして橙色の髪。

稀に青い空色の髪を持って生まれる天使や深い海のような色の髪を持って
生まれる天使もいる。
他にも茶色や黄緑など、
様々な髪色の天使がいるのだが
黒髪の天使はアレンだけだった。




*寮・・・
下級天使や中級天使は寮で生活し、
上級天使になると、
二組制で一つの家が設けられる。