叫びと共に
切り落とした片翼。
天使にとって羽を切るのは
すごく激痛を伴うもの。

切り落とした羽は、
光を放ち、消えて行った。

「羽ってこんなにも
儚く消えてしまうのか……」

アレイストはアレンに駆け寄ると、
力強く抱きしめた。

「何がお前をここまで追い込んだ……
なんで神に背いた……」

アレイストの苦痛な質問に
アレンは答えなかった。

「セラに言っといてよ。
セラは最高のパートナーだったよ。って
あと、リキには最高の親友だったよ。って言っといて……あと、
セラにあの時の答えを聞いてきてよ」

アレンはそう言うと
アレイストから離れて
ラウルの側に戻った。

「アレン……大丈夫なの……?」
「これで……自由だ……」

アレンの体を光が包み、
アレンは人間の形になった。
清輝ももうない。
弱く儚い生き物に、
神が最も愛した生き物になったのだ。

「ラウル行こう?」

ラウルに手を差し伸べると
ラウルは一瞬戸惑った後
レオンに申し訳なさそうな気持ちを捨て
アレンの手を掴んだ。

「裏切らないと言ったのに……
ごめんなさい……」

アレンとラウルを大きな闇が隠し、
アレイストは追いかける事が出来なかった

「くそぉおおおおおおお!!!!」
アレイストの叫びもまた誰にも届かなかった