(4)

神は天界に生命の木を作り、
中を刳り貫いて、
その中に天国を作った。

『さぁこの中に入りなさい。
そうすればお前達は楽になれる。
人間達の事は私に任せなさい』

神は【アダム】と【イヴ】を見送った後、
生命の木の葉っぱを取って、
一つ一つに人の形を与えた。
そして人形に、純白の羽を与え、
長命の寿命と最高の治癒力を授けた。
明るい色の髪と空色の目を与え、
さらに、神を信じる者や清い者にしか
見えない様にした。
神の力を少しずつ分け与えた後、
清輝を浴びせ、出来たのが【天使】である
やがて、【天使】は
少しずつ言葉を覚えていった。

『神様!
我々はどうして生まれたのですか?』
『君たちに二つ頼みたい事があるからだ』
『それはなんでしょう?』
『ひ弱な人間を私と共に守ってほしいのだ
人間は、時に道を外れ大罪を犯してしまう
己の心に闇を生んでしまうのだ。
全くもって愚かな行動だ。
だが私は人間がとても愛おしい、
だから道理を外れてしまった人間に
神の使いである君たちが
希望の言葉を送ってあげてほしい』

【天使】は何も言わず、ただ頷いた。
そして、神に逆らわず人間を
見守り続けた。

『もう一つ頼みたい事があるのだ。』
『なんでしょう?』
『この生命の木に
精気を送ってあげてほしい。
そして見守っていてほしいのだ』