「一体誰がこんな事を……」
「それも知りたいか?」

悪魔はアレンの後ろに回り込むと
そっと耳打ちをした。
セラが振り向いた時には遅く、
アレンの中で
高速に何かが回って巻き戻って行く、
そして2年前のあの日まで
全てが巻き戻って行った。

悪魔はアレンの側から離れ
その場から立ち去った。

「ラウル……?ラウルがやったのか?」
セラは、少し俯くとアレンに
「ラウルとは関わるな。
どれほど辛い思いをしたか
わかるだろう?」と言うと
アレンは頷いて、
「俺はもう繰り替えさないよ
ラウルにとっても自分にとっても
辛い思いはもうさせない」と言うと
セラも頷いて「それを聞いて安心したよ」と言うとアレンの頭を撫でた。

悪魔がアレンに言った言葉。

《ラウルを助けられるのはお前だけだぞ
ラウルは日々正義と言う名の悪を働いてるそれがいかに愚かな行いかお前が
一番知ってるだろう?》

アレンは、ラウルに会いたいと
思ったがそれを言うのはマズイ気がして
言わずにその日の任務を終えた。

「楽しみだね〜
どっちが堕ちるのか、
はたまた両方堕ちるのか、
俺としてはどっちでもいいや」

悪魔は高らかに笑うと、
人間界から飛び去った。