(この顔を醜いなど思った事はない。
レオンは私に国の真実を見せてくれた。
あのままぬくぬく屋敷に住んでいたら
悪も正義もわからなかった……)

ラウルは、自分を傷つけたレオンを
恨みはしなかった。

『私が何処までもついて行く!
レオンの側にずっといる!!
私はレオンを裏切らない!!!
この左目にそう誓おう……』

レオンの力になりたい。
あの時ラウルはそう思った。
なんとかレオンも立ち直る事ができ
ラウルの左目を見て、辛そうな顔をした。
『すまない……』レオンのその言葉を
聞いてラウルの心は救われた。
あのまま荒れてしまったら、
ラウルでも手に負えなかったからだ。

(私も平気な顔をして人を殺している。
今思えばそれは正義と言えるの……?)

もしかしたら、この行いも悪なのではないかとラウルは日々自分の心に聞いていた

「アレンが見たら、
きっと怒るんだろうな……」

ラウルは十字架を握り締め、
銃口を目の前の男に向ける。

「私は己の正義の為に悪を殺す」
「やっ……やめてくれ!!!」
「自分の過ちを憎むんだな……」

パァン━━…


「アレン……
私は汚くなっていくのか……?」