『連れてってよ。
私も正義(そっち)の方へ』
ラウルはその後姿を消し、
屋敷にも戻ってこなかった。
そして、
特殊警察の一員となったある日の事。
特殊警察のリーダーが
レオンや仲間を裏切り、
罪人を隣国へ逃がした事件が起きた。
国に逆らい、悪を逃がしたとされ
リーダーは処刑される事になったが
その処刑を任されたのは、
不幸にもレオンだった。
レオンにとってリーダーは
特殊警察全員の見本であり、正義であり、
国に仕える立派な人であり、
なにより、父親的存在だった。
レオンは、孤児だった所を
リーダーに引き取られ、
特殊警察が正義を働く側として活躍する
姿を尊敬し、
リーダーに対して恩を感じていた。
『俺が……あの人を殺す……?』
ラウルに刃を向けたあの時とは違い
レオンは刀を落とし、
その場に立ち尽くしていた。
そして刑が執行される日。
リーダーはレオンを見て微笑みこう言った
“レオン……悪を時に許してやるのだ……悪を皆殺してしまっては……
なにが悪でなにが正義なのか
わからなくなってしまう……”
しかしその言葉はレオンには届かず
レオンは無表情のまま、
リーダーの首に刃を振り下ろした。
『俺は正義だけ貫き通す。
あんたを尊敬してた自分が馬鹿みたいだ』
ラウルの耳にはこの言葉と
その時のレオンの顔は
しっかりと焼き付いていた。
『レオン!どうして……
どうして……リーダーを……』
『どうして?俺はずっと騙されてた
リーダーの裏の顔に気づかず
ずっとあの人を慕っていた。
裏切られて初めて気づいたよ』
レオンはそう言うと
ラウルの目の前で刀を抜いた。
『お前も俺を裏切るのか……ラウル
裏切りは悪だ……』
ラウルの左目は辛そうなレオンの顔を
見た後、二度と光を見なくなった。
私も正義(そっち)の方へ』
ラウルはその後姿を消し、
屋敷にも戻ってこなかった。
そして、
特殊警察の一員となったある日の事。
特殊警察のリーダーが
レオンや仲間を裏切り、
罪人を隣国へ逃がした事件が起きた。
国に逆らい、悪を逃がしたとされ
リーダーは処刑される事になったが
その処刑を任されたのは、
不幸にもレオンだった。
レオンにとってリーダーは
特殊警察全員の見本であり、正義であり、
国に仕える立派な人であり、
なにより、父親的存在だった。
レオンは、孤児だった所を
リーダーに引き取られ、
特殊警察が正義を働く側として活躍する
姿を尊敬し、
リーダーに対して恩を感じていた。
『俺が……あの人を殺す……?』
ラウルに刃を向けたあの時とは違い
レオンは刀を落とし、
その場に立ち尽くしていた。
そして刑が執行される日。
リーダーはレオンを見て微笑みこう言った
“レオン……悪を時に許してやるのだ……悪を皆殺してしまっては……
なにが悪でなにが正義なのか
わからなくなってしまう……”
しかしその言葉はレオンには届かず
レオンは無表情のまま、
リーダーの首に刃を振り下ろした。
『俺は正義だけ貫き通す。
あんたを尊敬してた自分が馬鹿みたいだ』
ラウルの耳にはこの言葉と
その時のレオンの顔は
しっかりと焼き付いていた。
『レオン!どうして……
どうして……リーダーを……』
『どうして?俺はずっと騙されてた
リーダーの裏の顔に気づかず
ずっとあの人を慕っていた。
裏切られて初めて気づいたよ』
レオンはそう言うと
ラウルの目の前で刀を抜いた。
『お前も俺を裏切るのか……ラウル
裏切りは悪だ……』
ラウルの左目は辛そうなレオンの顔を
見た後、二度と光を見なくなった。

