アレンの記憶が消されてから随分時が過ぎ、天界・人間界は冬の季節になった。
あれから、アレンは下級天使ランク1に
リキは中級天使ランク15の資格を取得していた。

「全く、唯でさえ寒いのに
天界はこれからもっと寒くなるぞ」

アレンが毛布に包まっていると、
リキが笑ながら、
「仕方ないっすよ!この時期は天界から
太陽が離れて行くんすから」と
勢い良くアレンの毛布を剥ぎ取った。

「なにすんだよ!!!寒いだろうが!!」
「毛布に包まってたら
いつまでも仕事が出来ないっすよ?
今日は人間界で仕事があるんすよね?」

リキがそう言うと、
アレンは目を見開いた。
アレンが事件を起こしてから
随分と時が経って、
やっとアレイストから
人間界に行く許可が下りたのだ。
アレンも楽しみにしていたのだが、
仕事はとてもシリアスな物だった。
死者が増え天国も地獄も
死者の処置に困っている。
死者が増える謎を探って欲しいと言う
仕事だ。
生前清い行いをした者が天国へ行く様に
生前悪い行いをした者は地獄へ行く様になっている。
天国に行く者と地獄に行く者を分ける際に
その者の生前記録を確認するのだが、
あまりにも死者が多く、
確認するのに時間が掛かるのだ。
その為、死者は楽になる事も出来ず
暫くの間、狭間を彷徨い続けているのだ。