(3)

神は人間の死後の事を考えていなかった。
【アダム】と【イヴ】は神に言った。

『人間は今争いで物事を決めています。
強い者が弱い者を虐げ、
そして殺すのです。
貴方様がそんな事をする為に
【弱肉強食】の掟を与えた訳ではないと
私達は思うのです。
どうか争いはならぬと
彼らに教えてあげて欲しいのです』

神は暫く考えた。
争いを止めるにはまた新たな生が必要だ。

そう、神はまた命を作らねばならない。

神は『わかった。だがそれは、
前達の処置が済んでからだ。』

【アダム】と【イヴ】は
自分たちの事を後回しにして
人間に助言を……。と頼んだ。

すると神は、
【アダム】と【イヴ】を制止した。

『お前達はどうなるのだ?このまま彷徨うつもりか?
天界に人間は入れぬ……。』

しばし考え神は手を打った。

『そうか!ならば作れば良いのだ!
清い者達がゆっくり休める場所を。そこに行けばもう此処へ帰って来れぬ。』

神は清い者が死後、ゆっくりと休み再び生まれ変われる機会を与えられる様に
【天国】と言う場所を作った。

【天使】が生まれるのは天国が出来て
すぐの出来事だった。