同時刻ー天使長報告会
ガヤガヤと天使長達が集まる中、
司会を務める天使長が、
皆を静かにさせる。
「本日の報告会を始める。
なにか、天使長の前で報告がある者
挙手をして答えよ」
リイカはいつも通りセラの隣に座り、
セラの様子を伺った。
すると誰よりも先にセラが挙手をした。
「セラ天使長」
「はい。まず昼頃、忘却室にて処罰を受けていたアレンが目を覚ましました。
ご存知の通り、アレンは大罪を犯し、
記憶を消されました。しかしとある証言で【双子天使】という事件記録本が
図書室に置かれていると言う事実を知りました。アレンはその本を読んでから
人間界に興味を持つようになったと。
そして今回このような事件が起きた。
その件について、リイカ天使長。なにかご存知ないですか?」
リイカを睨みつけるセラに
司会が、リイカに回答を要求する。
リイカは渋々立って、皆の前で答えた。
「ええ。その事はアタシも知ってるわ。
古書館の本が図書室にあるなんて
よくある話じゃない?」
他の天使達も、そう言う事が起こるのは
珍しい事ではない為、「確かに……」と
頷いた。しかしセラの顔はどんどん険悪なものになっていた。その顔に誰もが震えたが、リイカだけは平気な顔をしていた
「では、アレンがよく古書館に入る事は知っていますよね?問題を起こす前夜、
本来ならばキチンと隠して置かなければならない出生記録本が、
偶々見つかったと?」
「そういう事もあるんじゃない!?
ていうか!古書館に入る方が悪いんじゃない!」
リイカの回答に誰もが首を縦に振り
肯定した。
すると、天使長の中でも一番偉く
上級天使ランク1の位を持つアレイストが手を上げた。
「出生記録本は、
古書館管理長が管理し、
上級天使しか見られない様に
なっている筈だが?
古書館管理長が管理している筈の
出生記録本をなぜ、
アレンに見つける事が
出来たのか説明は受けているのだろう?
リイカ。」

