「セラ。あんたがやったって
今頃気づいてるんじゃない?」

天界ー白鳥エリア(お茶会室)

リイカが話しかけると
むすッとしてお菓子を頬張っている
中級天使が言い返した。

「俺は当然の責務を働いてるまでだ。
あんな黒髪の天使がセラとパートナー
組んでるなんて、マジあり得ねぇー」

「あんたねぇ……それ嫉妬よ?
アタシは運を与える天使の資格だから
関係ない筈なのにあんたのパートナーで
しかも天使長だからってだけで
セラに怒られるのよ!?」

リイカをみた後、中級天使は
リンゴティーを口に含み、ふふんと笑った

「オカマにはいいんじゃない?
オマケにリイカ、ドMだし?」

リイカが睨むと、
中級天使はニヤけながら顔を逸らした。

「あんた、中級天使なのに
上級天使負かして、
古書館管理長の資格を持ってる
超エリート君じゃない!
それなのに嫉妬って、見苦しいわよ!」

リイカが叫ぶと、
中級天使はゆっくりと席を立った。

「エリートだからさ。
エリートだから、セラとパートナーを
組みたかったんだ。なのにセラったら、
変なとこ面倒見がいいから、
俺と組まないで、
落ちこぼれ黒髪天使と組んだんだぜ?」

「あんた噛まずに良く言えるわね」
「なんたって他とは違うエリート天使。
カイル様だからね」

カイルは、リイカに手を振って
天使とは思えない顔でにっこりと笑い

「紅茶美味しかったけど
俺の淹れる紅茶の方が美味しいね
もっと研究しなよ、ドM天使長」と
言うと古書館に戻っていった。

「唯でさえ憎たらしいのに〜〜!!
キィいいいい!」

セラがアレンを大事に思う様に
リイカもカイルを大事に思っている。
憎まれ口を叩かれても
リイカはカイルの性格を認めている為
それを可愛いとすら思っている。

「ああ……
今回の報告会は長くなりそうだわ〜」
リイカはため息をつくと席を立った。

カイル・・・
中級天使ランク3にして、
古書館長を務めている。
下級天使からリイカとパートナーを
組んでいてオカマを馬鹿にする癖に
解約しようとはしない。
セラに憧れていて、パートナーである
アレンを酷く邪魔者扱いしている。