ーカキュウテンシーアレン
キオクショウキャクカンリョウー

「こちら忘却室管理課!
こちら忘却室管理課!
下級天使ランク11の資格をもつー
アレンが目を覚ましました!
繰り返します!下級天使ランク11もつー
アレンが目を覚ましました!」

アレンがゆっくりと瞬きすると
リキの心配そうな顔と、
セラの心配そうな顔が目に入った。

「リキ……?」
「アレン!おはようっす!」
「ん?うん?……
なんか体が怠いや……」
「無理もない……
目覚めたばかりだからな」

アレンがセラの顔を見ると、
キョトンとしてリキにそっと耳打ちをした

「俺、また悪い事しちゃった?
なんでセラ“天使長”がここにいるの?」
「あっ、あのねアレン!
君はー……!!!」

リキがなにか言おうとすると
セラはそれを制止して

「俺をお前の
パートナーにしてくれないか?」
と真っ直ぐアレンの目を見て言った。
すると、アレンは考える様子もなく

「嫌だよ。俺仕事よりも本読みたいし」
と顔を逸らした

「本ならパートナーを組んでも読める。
古書館に入るのはダメだがな……
それに仕事をしなければ
中級にはいけないぞ」
「俺は何故か知らないけど
メダルが貰えるから、
その内中級に上がるさ」

セラの中で何かが切れた音がしたが
セラは、アレンから顔を逸らさずに
もう一度言った。条件付きで。

「アレン……リンゴは好きか?」
「うん!好きだよ!大好き!」
「俺とパートナー組めば、
リンゴ食べ放題“かも”しれないぞ?」
「リンゴ食べ放題かぁー
本読み放題にリンゴ食べ放題かぁ
それにメダルもらい放題!
いいね!組む組む!!」

アレンはセラを見て無邪気に笑うと

「宜しくな!セラ!」と手を差し出した。
「ああ……これから宜しくなアレン」
セラも微笑むとアレンと握手をし
リキとアレンを寮まで送り、
自室に戻った。