アレンsideー

ここは……そうか、
結局カプセルに入れられたんだ……

でも俺……ラウルと会えた事……
忘れたくない……

「忘れなきゃいいじゃん」

……うん。てか誰だよ!!!

「お前等が大嫌いな悪魔だよ。
その中でも俺は夢魔の資格があるんだ」

悪魔か……もう眠りについてる俺には
関係ないか……

「お前……
あのお嬢さんに恋してるんだろ?」

恋?俺は恋なんかしてないよ。
唯、ラウルと過ごして……
妹が居たらこんな感じなんだな……って

「まぁ実質、お前の妹だがな……」

そうだね……
ずっと真実を天界に隠されてたんだ……

「どう?天界に真実を
隠されてた気分は?」

最悪だね。でも、俺は……

「神を裏切って仲間を裏切って、
俺達の所に来れば、妹に会わせてやる事も出来る。悪魔にはルールがないからな」

ルール……規定……使命……仲間……
全てを捨てて悪魔になれば……
俺は……ラウルと……居られる?

「お前を“人間”にする事も出来るぞ」

人間!でもそれって天界を
セラやリキ、神を裏切る行為にー…

「なるね」

それじゃあ……ダメだ……
ラウルと一緒に居たいけど
神に背くことは出来ない。

「お前は、コロコロ心境が変わるな〜
たくっ隙がないっていうか
落としにくいっていうか……
妹に会いたいけど神は裏切れないしー
天使で居たいけどー人間になりたいしー
って我儘過ぎ」

天使だって我儘くらい言うよ。

「……覚えておくよ。ついでに、
お前は他の天使と違って、
嫌味な天使じゃないってこともな」

あはは……それは……どうも……
そろそろ俺も限界かな……
もし目覚めた後、会えたら宜しく……

「ほんと変な天使だな。お前は
今回は落とせなかったけどその内落とす」

もう返答のないアレンに
悪魔は苦笑して去って行った。