悪魔の奇襲にあってから
約3日。セラどころか見守る課も
アレンを探しに来なかった。
心細くなっていたアレンを
ラウルが励まし支えた。
ここ最近ラウルには明るさが見え、
屋敷に太陽が現れた様な感じだった。
その点アレンは気持ちが沈み、
すっかり落ち込んでいた。

「ねぇ、アレン?」
「なに?」
「リンゴ……食べる?
天使は赤い実が好きだとレイに聞いたわ」
「リンゴがあるの!?」

ラウルの提案にアレンは顔をあげた。
天界にもリンゴが成っているのだが、
まだ収穫時じゃない為、食べられないのだ

「美味しいリンゴを取ってくるわ!
待っててね!」

この3日間、ラウルと居て、
出会った時とは違う感情を
アレンは感じていた。

窓から外を眺めると、
可愛らしくリンゴを取っている
ラウルを見つけた。

「俺の妹もラウルの様に
可愛らしかったのかな……」

アレンはベッドに寝転がると
羽をしまい人間らしくしてみた。


「お待たせ!アレン!」

ラウルが二つ赤いリンゴを持ってくると
アレンは、ありがとう。と微笑んだ。

「私にもしも羽があったら
アレンと一緒に空を飛んで見たいわ」

人間の姿の様になったアレンと
空を見て、ラウルもにっこり笑った。