「アレン……」
「セラ……大丈夫よ。
アレンはきっと無事よ……すぐ見守る課が探し出してくれるわよ」

セラは朦朧とする意識の中で
唯、アレンの無事を祈っていた。

「もうすぐ……迎えに行くからな……」
セラはそう言うと、また眠りについた。

・・・

「ねぇ……ねぇ!!」
声を掛けられアレンは目を覚ました。
「ん?なに?」
目をこすり当たりを見渡す。
「貴方どこから来たの?」
ラウルは興味津々で、
アレンに近づいた。

「私ラウルって言うの!
14歳よ!この豪邸に住んでいて
今潔斎中だから
貴方には触れないけど……
綺麗な……羽ね……」

アレンは、目の前で微笑む少女をみて
目を丸くさせた。

偶然とは思えない程の同じ顔
同じ清輝、そして……




アレンの黒髪に対し、
日の光をたっぷり浴びた様な
綺麗な金髪……。

アレンとラウルは、顔を見合わせ、
なんだか可笑しな気持ちになって
二人で笑いあった。
互いに懐かしい感覚に包まれ、
互いに出会えた事に運命を感じた。

「俺はアレン。下級天使なんだ」
「そうなんだ!天使様に
会えるなんて光栄だわ、怪我してるの?」

アレンは、
「大丈夫だよ!心配しないで!」と
言うと、立ち上がった。

「天使様なら……
触れても良いのかしら……?」

アレンは懐かしい気持ちに浸る前に
ある事に今更ながら気がついた。

「ちょっと待って!
君俺の事見えるの!?」