明るい日の光と
神に見守られて生きる人間。

弱いながら短い命で懸命に生きる人間を
邪魔する悪魔。

そして、弱い人間を見守り時に助言し、
時に悪魔から守る天使。

我々はどうして生まれたのだろうか。


【与えすぎた神】

(1)

人間は一人では生きて行けない。

ヘヴン―……天界で、
神は初めに作った人間、
【アダム】と【イヴ】を深く愛し
ルールを付けヘヴンに置いた。

だが、【アダム】と【イヴ】は白い蛇に
唆され、禁忌である赤い実を
食べてしまった。

神は怒らず、【アダム】と【イヴ】の
追放を最後まで惜しんでいたと言う。

愛おしい存在である人間を神は手放した後も見守り続けた。

わざわざ人間が住める様な星を作って、
人間に知恵を授けた。

その後、神は太陽と月を作り、
【アダム】と【イヴ】の他にも
様々な人間を作り、それを見守り続けた。
草を生やし、動物を作り、
【弱肉強食】と【生命の寿命】と言う
ルールを星に与えた。

神は天界で一人、
人間に色々な物を与えたがやがて
楽しく生活して、【群れ】を成した人間
を羨むようになった。

『私にも側に居てくれる
存在が欲しい……』

神はそう思う様になったのだ。
作る事は雑作も無い事なのに、
人間を作ってからと言うもの、
作れば簡単に無くなってしまうと
思い込んでしまった神は作る事を止め、ただただ孤独に耐えていたと言う。