「ああ!【双子天使】は
僕も読んだことあるっすよ!
でも、主人公とアレンを
重ねる様な事はなかったすね……」

リキは最後のクッキーを頬張ると
手を叩いた。

「セラ天使長に
聞いてみたらどうっすか!?」
「それが……前に言ったんだけど、
話を逸らされたんだ……」

アレンは優しい闇に包まれた空をみた。
なにも知らないような
何処か他人事のような空。
大きな月が、天界を照らす。
天使長達はこの優しい月光の中、
神様に今日の出来事を纏めたレポート等を提出しに行くのだ。


「うー…天界って寒いから嫌だわぁ」
「……。俺頼んでみるよ。」
「あら?アレンって子に対して
かなり過保護に扱ってるじゃない?」
「大事なパートナーだからな」

セラがそう言うと
リイカは「アタシも手伝ってあげるわ」
と背中を叩いた。

「本当のことは言うつもりなの?」
「まだ……いえないだろ……」


天界に隠された秘密。
アレンは管理が甘くなるこの時間帯を狙い
再び古書館へと足を踏み入れた。