双子に生まれた天使
兄のルーカスと弟オクールは、
神の命令で別々に人生を分けられた。

ルーカスは人間界で、オクールは天界で、別々の人生を送った。


兄のルーカスは綺麗な金髪
綺麗な青い目をして、
誰にでも好かれる天使だったが、
弟オクールは生まれつき異質な
赤髪を持ち、緑色の目をしていた為、
誰にも相手にされなかった。

やがてオクールは
ルーカスを恨むようになる。

オクールの心に闇を生まない為に、
神は、なんでもやって行けそうな
ルーカスを人間界に、
卑屈なオクールを天界に残し、
立派な天使になるようにと
様々な仕事を与えた。

時が経ちオクールがルーカスを忘れた頃
人間界で、争いをやめさせる為の
助言をすると言う仕事を任された時だった

そこではなんと、弱い者を次々と倒し
争いを続けるよう指揮をしていたのは
兄のルーカスだったのだ。

兄のルーカスはオクールを見ると

『天界で楽しくやってたか？我が弟よ。
私はお前を忘れる事は無かったのに
お前はいい気になって
私の事を忘れていたな？』と言った。

ルーカスの目はオクールを睨みつけ
その背には黒い翼が生えていた。
ルーカスは人間界にいる内に悪魔に唆され
堕ちてしまったのだ。

アレンはこの本を見た時に
胸の鼓動が早くなった事を憶えている。
主人公が自分と同じ様だからだろうと
最初は思ったが、収まらない動機に
アレンは、『俺にも……黒髪ながら
天界にいる理由が
なにかあるんじゃないのか』と
思う様になった。
思い込みなら良かったのだが、
耐えきれずセラに聞くと、
セラは驚いた顔を見せた後
大きく咳払いをして、その話を逸らした。
その時アレンは確信したのだ。
“俺の事で天界はなにか隠し事を
しているんだ”と