「俺、人間界に行きたいんだ」
「……やめといた方がいいっすよ。
争いは絶えないし、
助言しても聞かないし、
神様も信じなくなるし」

リキはお茶を飲むとアレンに
「どうして行きたいんすか?」
と尋ねた。

「いや……
ただ人間界に好奇心が湧いたんだ……
中級天使になる為には、人間界も見ておかなくちゃいけないし!一回見たら、
メダルも貰えるだろうし……」

アレンは下級天使ランク11。
リキは、下級天使ランク10。
リキの方がアレンよりも少し先輩だ。

「お仕事で行くならまだしも…
きっと天使長だって
連れてってくれないよ?」

言ってることはリキの方が正しい。

でもアレンは諦められなかった。
図書室に入り、手にした本に
【双子天使】という話の本に
出会ってしまったからだ。