「…じゃ、おやすみ」

「…ちょっ、ちょっと待って!」

出ていこうとする理久を、私は思わず引き止めてしまった。

「…ああ!歯磨き!」

理久は、ハッとしたように振り返ってきた。

…歯磨きの為に呼び止めたんじゃないんだけどなぁ…。

「…今から持ってくるから待ってて!」

理久はそう言うと、足早に出ていった。

そして、あっという間に戻ってきた。

理久の手には赤の歯ブラシが握られていた。