「…傘に入れてもらって、更にコーヒーまでもらって…ホントにごめんね…」

奈々はコーヒーに息を吹きかけながら言った。

「いや!気にすんなって」

…そのまま俺達は、他愛なく話をした。


―――


「…じゃあ、そろそろ帰るね!今日は本当に、ありがとうございました」

しばらく話した後、奈々はニコッと微笑んで言った。

…その瞬間。

俺の中に、何とも言えない感情が渦巻いた。