「凄いっ」

あの遠慮はどこに行ったのか、奈々は辺りをキョロキョロしながら歩いていた。

「…そんなに見ても、良い物なんて無いよ?」

「いやいや!とても綺麗だから…って、わあ!リビングも綺麗!」

リビングに入ると、奈々は再び歓声をあげた。

「…それは、部屋が広いからだろ?マンションの割に、良い構図なんだ」

俺は喋りながら、奈々に座るようにジェスチャーした。

「…確かに、それもあるかもしれないけど…男の人の家と思えないほど綺麗だよ!」