と思って、視線を元に戻そうとしたその瞬間。 俺の目に、苦しそうに胸元を押さえている運転手が映った。 「だ、だいじょ…ッ!!?」 俺が声をかけようとしたのと殆ど同時だっただろう。 車体が大きく揺れた。 運転手に駆け寄りかけていた俺は、勢いよく席に戻らされた。 大きな悲鳴が聞こえてくる。 車内中がパニックになる。 打ち付けられた痛さを堪えながら顔を上げると… 目の前は… 白いガードレールで…