「…おぉ」

無意識のうちに安堵の息を吐いた俺は、ケータイを鞄になおした。

…バスの中は意外とガラガラで、俺は空いていた一番前の席へ座った。

…しかし段々と混んできて、今では立っている人もいるぐらいだ。

何だか嫌だなぁと思っていた。

…そんな時だった。

「ウ…ッ」

微かに呻き声が聞こえたような気がして、俺は慌てて周りを見渡した。

でも、立っている人も座っている人も至って元気そうだ。

気のせいか…