俺は慌ててポケットからケータイを取り出すと、震える指で番号を押した。


―――


「…親族の方ですか?」

奈々が病院に運ばれてから数時間後。

手術室から医者が出てきて、俺は顔を上げた。

「…俺…奈々の彼氏…です。…奈々の親族には…俺は会った事がありません…」

「…では、親族の方に連絡をとる事は…出来ますか?」

「……奈々が望むか…分かりません…」

「…そうですか。…なら、奈々さんの目が覚めると…奈々さんの意見を聞きましょう」