「…じゃあ、来なよ?…俺ん家、駅と近いんで便利だと思いますし…」

「…あ、ありがとうございます…っ」

奈々さんは立ち上がって、直角に頭を下げた。


―――


数十分後。

俺達は、俺の家にいた。

「この部屋、好きに使っちゃって良いので」

「…ほ、本当ですか!?」

俺が部屋を指差すと、奈々さんは大袈裟なほど飛び退いた。

「余ってるんです。一人で生活するには、良すぎるほどの構図でさ」

「本当に、すいません…!ご迷惑ばかりでっ。家事、何でもやりますのでお願いしますッ」