「…あー、遅くなってごめんね。待った?」 「え…っ」 俺は気軽く、その女子に声をかけた。 女子は困惑したような顔で俺を見る。 俺は女子に小さく頷いてみせると、言葉を続けた。 「君達、この子に目をつけたみたいだけど…あいにく彼氏持ちだから。他の子を探して」 俺がそう言うと、男子二人はつまらなそうに立ち去った。 「あ、ありがとうございます…っ!助かりましたっ」 女子が、ガバッと頭を下げる。