「俺に言えなかった事…?」
「…私と奈々の両親は…数年前に亡くなりました。…生前の両親は、奈々があなたと住んでいた事は気付いていました」
「…そうなんだ…」
「それで…家を飛び出していった奈々の事も…本当は前から怒ってなんていなかったんです…。そして、あなたには…感謝していました」
「…感謝…?」
寧々さんは何度も頷いた。
「…奈々に…ずっと、ついていてくれて…ありがとう…って…。…最期まで、見取ってくれて…ありがとう…って…。その両親の言葉を伝える為に…私は貴方に会いに来たのです…」
「…っ」

