side/奈々


―――


理久の家に来てから、何週間か経った頃。

この頃になると、もう手足は拘束されなくなっていた。

理久とする会話も、変な所なんて無いし…
何より、私が緊張しなくなっていた。

…もしかして私、この状態に慣れ始めている…?

…この状態が普通の状態だと感じ始めている…?

…もしかして理久も、この家に私が普通に暮らしていると思い始めている…?

…この日の朝も、いつも通り私達はリビングで朝ご飯を食べていた。

そして、その後は理久がバイトに行く。