「…ふぅ」

今回も、頭痛は数分で治まった。

そのままフラッと立ち上がり、片隅のドアを開けた。

「…奈々…」

開けたドアから新しい部屋に踏み込むと、たくさんの写真に囲まれた。

全てが、奈々だ。

俺はスタスタと部屋を進み、奥にあった机の引き出しを開けた。

この引き出しの中には、たくさんの便箋や封筒が入っていた。

…きっと記憶喪失になる前の俺が、奈々へ手紙を送っていたのだろう。