でも今は…
手も足も拘束されていなかった。

…もちろん、手錠は無い方が良いんだけど。

…理久が、手錠をかけるのを忘れている?

…いや、あのいろんな意味で真面目な理久が?

あり得ない…。

…何か考えているのか…。

…まあ、もう私にも逃げる気持ちは無くなっていたが。

「…ごちそうさま」

私はそう言うと、キッチンへ皿を運んだ。