「…とにかく、テレビでも見てて!」

私は、私の横にピタッと引っ付いていた理久を軽く押し飛ばした。

さっきから料理をするのをガン見してくるから…
緊張してたんだよね。

「…面白いテレビ、してないし」

「…もう少しで出来るから!」

「……はーい」

…今日の理久はいつもと違うなぁ…。

優しい理久の部分しか出ていない。

…まるで、記憶喪失になる前の理久に戻ったみたい…。