俺は席を立ち、廊下に出た。


「美々、どうした?」
「あ、あの…さっきの、呼び出しって…」
そのためだけに、来てくれたのか?
「あぁあれね。鍵のことだったけど、大丈夫 だったよ」
「ホントですか??」
「ホント。なんの処分も、なかったから」
「よ、よかったぁぁ。あたし、先輩が呼び出さ れたとき、心配になっちゃって…」
「心配してくれて、ありがとな」
「いえいえ!あ、じゃぁ、あたし戻りますね」
「あ、あぁ。じゃぁな」
ニコッと笑って、美々は去っていった。

…ココに来た時の美々、息が乱れてた。
走って、来たのか?
あんな放送のためだけに。

「…はっ…」

どんだけ、俺を溺れさせんだよ、アイツは。